産学連携講座
近年、TLOの設立、知財本部の設置、大学発ベンチャー等々、私たちは大学が関係する特許の話題を新聞、テレビ、雑誌、インターネットなどで数多く見聞きしますが、これら特許の話題では、大学という特殊性は特に考慮されておらず、企業における通常の特許と同じようなレベルで特許が語られております。
しかし、企業と比べ、生産活動との関わりがほとんど無い、大学という特殊なフィールドで発明が生まれ、しかも大学はその発明を自分で事業化せず、企業に事業化させ、企業からライセンス料等の支払いを受けるだけという特殊性を有しています。
また、大学の先生方は自己の研究の結果を学会や論文等においてできるだけ早く発表する方を優先し、特許出願は二の次の問題にしている傾向があります。
また、大学の先生方は特許出願に慣れていないので、特許出願をすべきかどうか、どのような形で特許出願をしたらよいか等、悩む場合が多いと思われます。
そこで、このような特殊性を考慮し、大学関係者が特許出願を考える場合の参考に資するため、下記の項目に沿って大学における特許出願を考察してみました。
第1回  なぜ大学が特許を取るのか
第2回 何が特許になるか
第3回 だれが特許を受けることができるか
第4回 どのような発明について特許出願をしたらよいか
第5回 特許取得の方法
第6回 収益の態様
第7回 知的財産の保全と活用の実際
まとめ