商品名や型番が、営業力になる場合があります
商標は、単に名前を守る制度ではありません。
商品名や型番が市場で信用を得ると、設計図や仕様書の中で指定され、売上につながることがあります。
商標は、覚えてもらうだけではありません
商標の説明では、一般に「商品やサービスの出所を示す」「他社の商品と区別する」と言われます。 もちろん、それは正しい説明です。
しかし、事業の現場では、商標はもっと具体的に働くことがあります。 それは、商品名や型番が営業力を持ち始めるという現象です。
設計図や仕様書の中で指定されることがあります
商品が市場で知られ、性能や品質への信頼が積み上がると、 設計図や仕様書の中で、その商品名や型番が記載されることがあります。
たとえば、
照明:○○社 ABCライト
ポンプ:△△製 PX-200
部材:□□ M8型
このように書かれると、施工会社や販売会社は、その名前の商品を購入する方向で動きます。
設計図が営業をしてくれる状態になります
一度、図面や仕様書の中で商品名や型番が指定されると、 営業担当者が毎回説明しなくても、その商品が選ばれやすくなります。
つまり、設計図が営業をしてくれる状態になります。
これは、単に名前が知られているというだけでは起きません。 名前に対して、安心して指定できるという信用が積み上がって、初めて起きる現象です。
なぜ、そのようなことが起きるのでしょうか
設計者や採用を判断する人は、単に名前を見て指定しているのではありません。 そこには、次のような事情があります。
- 性能や品質が安定している
- 過去の使用実績がある
- 安心して採用できる
- 施工や保守の面で扱いやすい
- 関係者の間で通じる名前になっている
つまり、商品名や型番が指定されるということは、 その名前に信用が蓄積しているということです。
これは、商標の働きの一つです
商標は、単に名前を登録するためのものではありません。 継続的に使われることで、その名前に市場の評価が蓄積し、 「この名前なら安心だ」という状態を作ります。
その結果として、
商品名・型番が覚えられる
↓
信用が蓄積する
↓
設計図や仕様書で指定される
↓
継続的な売上につながる
という流れが生まれることがあります。
ブランドは、売上を繰り返し生ませる力になります
良い商品を作るだけでは、必ずしも売れ続けるとは限りません。 しかし、その商品が名前で指定されるようになると、 次の案件でも選ばれやすくなります。
これは、ブランドが単なる印象ではなく、 売上を繰り返し生ませる仕組みとして働いている状態です。
この意味で、商標は、商品やサービスを覚えてもらうためだけの制度ではなく、 信用によって選ばれる状態を作る制度でもあります。
知財を、制度ではなく事業の働きとして見る
当事務所では、商標を「出所表示機能」のような制度説明だけで終わらせず、 それが事業の中でどのように働くのかを重視しています。
商品名や型番が設計図や仕様書に記載されるという現象は、 商標が事業の中で具体的に働いている分かりやすい例です。
商標は、名前を守るだけではなく、信用を売上につなげる仕組みとしても理解できます。
商標を、単なる登録手続ではなく、
事業の中で信用を育てる仕組みとして整理したい方へ