考え方
私は、特許出願や特許権の維持について、 「技術的に可能かどうか」ではなく、 「費用をかけてまで意味があるかどうか」 という視点を重視しています。
出願費用や維持年金は、企業にとって決して小さな負担ではありません。 だからこそ、事業との関係、将来の見通しを踏まえ、 出願するかどうか、維持するかどうかを 経営判断として整理することが重要だと考えています。
大学知財本部の立ち上げと産学連携への関与
私は、2001年より、東京水産大学のリエゾンセンター内に設置された知財保護のワークグループに参画し、 大学における知的財産の取り扱い、組織体制、実務のあり方について検討を重ね、 2003年の知財本部整備事業(文部科学省)の申請に関与し、知財本部の立ち上げに携わりました。
その後、東京水産大学は東京商船大学との統合により東京海洋大学となりましたが、 引き続き、2025年まで、 東京海洋大学の産学地域連携事業に対し、 弁理士の立場から、知財に軸足を置いて貢献してきました。
経験から大切にしていること
大学における知財本部の立ち上げや、 産学連携の現場に長年関与する中で、 特許を出すことや、特許を維持すること自体が 目的化してしまう場面を数多く見てきました。
その経験から、 出願費用や維持費に対して、 本当に意味があるかどうかという視点を重視し、 費用対効果を踏まえた判断を大切にしています。
知財担当者の方との関係について
企業内に知財担当者の方がいらっしゃる場合、 日々の業務として、社内からの提案に基づき、 特許出願や権利管理を着実に進めておられることが多いと思います。
一方で、特許を出願するかどうか、 どの程度の費用をかけて権利を取得・維持するかといった判断は、 本来、経営の視点で考えるべき事項でもあります。
私の助言は、そのような経営の視点から、 特許業務の進め方を一度立ち止まって整理することを目的としています。 そのため、場合によっては、 知財担当者の方にとって、 業務が増えたり、判断が難しく感じられることもあります。
私はあくまで外部の立場から助言を行う者であり、 社内の知財担当者の方を指揮したり、 業務を指示する立場にはありません。 社内の方針をどのように進めるかについては、 社長ご本人の判断と役割であると考えています。
中小企業の社長の方へ
特許を出すべきか、維持すべきか迷ったとき、
「出願を前提としない視点」で一度整理することは、
会社にとって意味のある時間になると考えています。
経営判断としての知財について、
外部の立場から冷静に整理したいときに、
ご相談いただければと思います。
弁理士
窪田 法明(くぼた のりあき)
弁理士登録第9040号(1983年登録)
履歴(客員教授)
- 東京水産大学 客員教授(2002–2003年)
- 東京海洋大学 客員教授(2003–2025年)
工学部卒業後、企業の現場勤務を経て、特許実務に携わってきました。 研究・現場・知財のいずれも経験した立場から、 技術だけでなく、事業として意味があるかどうかを 重視した助言を行っています。