特許出願の費用対効果をどう考えるか
特許出願には、現在だけでなく、将来にわたる費用が伴います。
- 出願費用
- 審査請求費用
- 拒絶応答費用
- 登録費用
- 維持年金費用(長期間)
特許にならなければ、それまでの費用は回収できません。
特許になっても、事業に生かされなければ、やはり回収できません。
「出願しない」という判断の意味
出願しないという判断は、現在および将来にわたる無駄な出費を防いだという意味で、 十分に評価されるべき経営判断です。
出願しないという判断は、「何もしない」ことではありません。
会社の資源を守る判断です。
なぜ「とりあえず出願」が起きやすいのか
出願という判断は、出願書類や特許公報という形で成果が残ります。
そのため、仕事として評価されやすい側面があります。
一方で、「出願しない」という判断は、形に残りません。
仕事をしなかったように見られやすい。
その結果、「とりあえず出願する」という判断に偏りやすくなります。
また、登録後も、その特許が事業に生きているかの検証が難しいため、 惰性的に維持年金を支払い続ける判断が起きやすくなります。
この構造は、会社にとって利益にならない支出を固定化させます。
解決の方向性 ― 判断の有形化・システム化
問題は、出願するかどうかではありません。
判断が評価される仕組みがあるかどうかです。
「出願しない」という判断を、資料として残す。
その判断の理由、検討過程、事業との関係を有形化する。
それを会社としてシステム化することで、 判断そのものが仕事として評価されるようになります。
これは同時に、将来の先使用権の証拠整備にもつながります。
出願するかどうかを、経営判断として整理します。